De Dolle Brouwers
(ド・ドレ・ブロウウェルズ)

Dolle というのは「狂った」という意味です。 つまり「狂った醸造家たち」という自虐的な名前の醸造所です。 創立は1980年。兄弟3人とその母上で始めたそうです。 3人は良いビールを飲みたくて自家醸造のキットを使って ビールを作ったりしていたのですが、どうしても思うような ビールができず、ついにはモルト・酵母・ホップなど、 自家醸造用にあらかじめ加工されたものでなく、 すべて原料から買って醸造をはじめました。 1986年にベルギー国内のホームブルーイングコンテストで優勝してから、 今の場所にあった古い醸造所の建物を買い取り、 本格的な生産を始めたそうです。 今でも、3人は本業(医者、エコノミスト、建築家)を持っていて 週末にしか醸造の仕事をしないそうです。 建前では、今でも商売のために醸造しているのではなく、 趣味でやっているということです。 これで Dolle Brouwersの意味もわかりました。

醸造所にはバーも付いていて、 見学の前後にはここで樽からArabier(アラビール)かOerbier(ウールビール) を楽しめます。 このカフェにはビールに関する本がたくさんそろえられているのも 嬉しいところです。さらに、古いビールのグラスが展示されていて、 ずっといても飽きません。

見学は経営者たちの母上がオランダ語訛りの英語でジョークをまじえながら 面白おかしく説明してくれます。 私が見学したときもしょっぱなから快調でした。

What is the difference between brewers and consumers?
Brewers make beers from water, and consumers make water from beers.
醸造家と消費者の違いは何であるか? 醸造家は水からビールを造り、消費者はビールから水を作るのである。

Look at those hop flowers. Hops for beers are all female plants. That's the reason why gentlemen love beers.
あのホップの花をご覧下さい。ビールに使われるホップはすべて雌株です。それで殿方はビールが大好きなのです。

製造設備自体は非常に古めかしいものです。 本格的な醸造を始めるとき、今のところにあった古い醸造所を 買い取ったそうです。 多分、その古い設備をそのまま使っているのだと思います。

この醸造所が作っている主なビールは、平時作っているものが ホップの苦みが際立つ爽快なArabier(アラビール)、 黒いキャンディーシュガーを加えてちょと甘めのOerbier(ウールビール)、 濃厚だがフレッシュで飲みやすいDulle Teve(ドゥレテーヴェ)です。 あとイースター用に オレンジの香りがするさわやかなBoskeun(ボスキューン)、 クリスマス用に Stille Nacht(ステルナハト)というビールがあります。 どのビールも、ホップに含まれているビタミンが失われないよう、 ドライホッピングをしているそうです。

何年か前、数名の日本人がこの醸造所を訪れたそうですが、 その時にあまり上品でない振る舞いをその人たちがしたそうで、 あまり日本人に対して良い印象を持っていないようでした。 いかにも「買ってやる」的な態度だったそうで、 例えば「ビールのラベルに日本語が入っていない。」(当たり前だ!)とか 言いたい放題だったそうです。 日本人があまり行かない地方に行くときは、 自分の言動行動一つ一つが日本人とはこういうもの、というイメージに 結びつきやすいということを特にわきまえて行動しないといけないと思います。 ちなみに、その数年前に来た日本人は名古屋の会社の人たちだったそうです。 何だかその話を聞いていて情けなくなってしまいました。

さて、醸造所の訪問は土曜日の午前午後と日曜の午後。 電話予約をした方が良いと思います。


皆さんからの情報


醸造所内部の様子。


このパイプの中を通り麦汁が冷却される。


見学の後は、樽からのArabierが楽しめる。

Brouwerij De Dolle Brouwers

Rouselarestraat 12b, 8600 Esen

tel: +32 51 50 27 81
fax: +32 51 51 03 37

土曜: 午前午後、日曜: 午後

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>