Brasserie Du Bocq
ドゥ・ボック醸造所

ベルギー南部のナミュール州にある小さな町ディナン(Dinant)から東に数km行ったところにプルノード(Purnode)というさらに小さな村があります。村の近くに Bocq 川という本当に小さな川があります。プルノードの町にあり、この川の美味しい水を使ってバリエーションに富むいろいろなビールを醸造しているのがドゥ・ボック醸造所です。ベルギー南部は山あり谷ありという地形をしていますが、この醸造所はその山(丘)の部分に位置しています。まわりには広大な畑や牧場が広がり、まるで北海道の美瑛のような風景が延々と続きます。このようなすばらしい風景に囲まれビールを熱心に作り続けている醸造所です。

醸造所の設立は約140年もさかのぼる1858年です。現在ではこの醸造所はベルギー国内では中規模の醸造所と言って良いでしょう。この10年間に生産量は倍増し、現在の年間の生産量は6000キロリットルです。さらに設備を増強して年間9000キロリットルにする予定だそうです。

生産しているビールはセゾンビール風のセゾン・レガル(Saison Regal)、ゴールデンエールのデューヒニート(Deugniet)、修道院ビールのサン・ベノイ(St. Benoit)、白ビールのブランシェ・ド・ナミュール(Blanche de Namur)、そして黄金色・琥珀色・茶色の2種類があるラ・ゴーロワーズ(La Gauloise)です。(フランス語圏ではデューヒニートはトリプル・モアネ(Triple Moine)と言う名で売られています。)これらのビールうちいくつかは日本にも輸出されています。

残念ながら英語の見学ツアーはなく(団体が予約すれば可)、オランダ語とフランス語のみですが、言葉はわからなくてもそれなりに楽しめます。見学は実際にビールの製造過程の順番に従って見ていきます。

まずビールに使われている材料の説明と醸造所で作られているビールのそれぞれの説明があった後、煮沸のタンクがある部屋に進みます。モルトを煮沸するためのタンクとホップを入れるための大きなタンクがあります。続いて発酵のタンクが置かれている部屋です。ここでは、覗き穴から実際に発酵が進行中のビールを見ることができます。続いて冷却・フィルタリング・熟成・瓶詰めと進みます。瓶詰めの機械はかなり大掛かりなものです。瓶詰めされ、ケースに24本ずつ入れられたビールはパレットに積まれ、パレット単位で二次発酵室に運び込まれます。ここでは室温を25度に保ち、12日をかけて瓶内再発酵が行われます。そして、出来上がったビールはベルギー中に、そして日本を含む世界中に出荷されていきます。

見学のあとにはカフェでお約束の試飲です。上記の数あるビールのうち一種類を飲むことができます。(見学料金に含まれている。)カフェではビデオが上映され、見学のおさらいができます。ビデオはオランダ語・フランス語の他、英語もあったので助かりました。

見学料金は100BEF(約350円)でしたが、充分おつりが来る見学ツアーではないかと思います。


皆さんからの情報

Brasserie Du Bocq

rue de la Brasserie, 4 B-5530 Purnode
TEL: +32 82 61 07 80

見学(個人): 100BEF
4/1〜6/30, 9/1〜10/31: 土・日・祝日の午後3時から
7/1〜8/31: 午前11時、午後3時、5時

団体は常時予約にて可

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>