Straffe Hendrik
(ストラフェ・ヘンドリック)

ブルッへ(ブルージュ)市内に現存する二つの醸造所のうちの一つです。 ブルッへには第一次大戦前には31の醸造所があったのですが、 現在はこのStraffe HendrikとGouden Boom醸造所のわずか二つになっています。 この醸造所の前身は、1856年操業の Hendri Maes (「半月」を意味する) 醸造所でした。 このHendri Maesという名前のその名残か、 現在の Straffe Hendrik の瓶にも半月の形をした人の顔が 描かれています。 1988年に Dentergem の RIVA 醸造所(Vondel, Lucifer などを作っている) に買収され、RIVA グループの一員となりました。 ちなみに Straf とはオランダ語で「強い」と いう意味ですが、ビール自体はそんなに強くありません。

醸造所の一部が博物館になっており、主にこの博物館の中を見学できます。 ベヘンホフ(ベギン会修道院)の近く、Walpleinにあります。 ここはまさに観光エリアの中にあり、このあたりは いつでも人で一杯です。 また、ブルッへ名物、運河クルーズでもこの醸造所の近くに来ると 「Straffe Hendrik はここだ。」と教えてくれます。 ブルッへに行き時間があったらぜひ行ってみるべきだと思います。 Walplein に面して看板は日本語でも書かれているのですが、 この看板はちょっと変です。 (「ル株式会社」の謎参照)

見学料金は120BEFで、見学の後のおいしい飲物が含まれています。 古い醸造所のすみからすみまで見せてくれます。 見学の最後に建物の屋上に出るのですが、そこから見る ブルッへ市内の眺めも最高です。

現在作っているビールは Straffe Hendrik と、 1997年に新発売された Straffe Hendrik Bruin (茶色) です。



Walplein に面した入口


ここで麦汁を冷却していた


突然暗い中から等身大の人形が現れてびっくり


見学後に出される美味しい液体。

Straffe Hendrik

Walplein B-8000, Brugge

Tel: +32 50 33 26 97
Fax: +32 50 34 59 35

4月から9月まで: 10時から5時まで毎正時
10月から3月まで: 11:00 と 15:00

入場料120BEF(ビール一杯付き)

特集: 「ル株式会社」の謎

まずは右側の写真をご覧ください。

一番上がオランダ語、次がフランス語、3番目は何語でしょうか、 4番目は英語ですね。さて、その下は? なにやら日本語らしきものが見えます。 でも何か変です。「株式会社」はわかりますが、 「ル」らしき文字が付いて「ル株式会社」となっています。 これはいったい何なんでしょう?

もうおわかりですね。 まず "Brouwerij" などは一番上の "Straffe Hendrik" から "Straffe Hendrik Brouwerij" というように一続きなのです。 その最後の "Brouwerij" だけを各国語で書き換えて下に並べてあるのですが、 日本語については、以下のようなプロセスを経てでこのような文字列が 発生したと考えられます。

まず、日本のビールのラベルか何かを見て、例えば 「アサヒビール株式会社」の長音記号をハイフンだと勘違いした。 そしてそのハイフンより前半が醸造所の名前で、 後ろ側が "Brouwerij" の意味だとさらに勘違いした。 そしてついに「ル株式会社」が "Brouwerij" の日本語版として 堂々と書かれたのでしょう。

ちょっと立ち止まって「おや?」としばらく考え込んでしまいました。 (1997年2月)

ル株式会社再び

1997年8月に再び Straffe Hendrik 醸造所に行ってみたところ、看板に若干の変化があったのでご報告いたします。「ル株式会社」の左側に何やら長音記号らしきものがあるので、見てみると長方形の紙を張り付けてありました。さらに良く見ると、その長方形の紙の上に「ビール」と書かれています。何か前より症状が悪化しているような。


1997年8月現在


「ール」付近拡大図


皆さんからの情報

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>