Brouwerij Van Eecke
(ヴァネーケ醸造所)

Poperinge(ポープリゲ) から西方に約5キロ行ったところに Watou(ワトゥー) という小さな 町があります。 中央の広場に面した小さな教会が一つ。 フランスとの国境はすぐそこです。 (でもオランダ語圏です。) この町は今ではビール醸造の町として知られるようになりました。 行政区分では Poperinge に属している小さな町ですが、 醸造所が三つあり、それぞれ特徴あるビールを作っています。

この三つのうち、最も良く知られているのが Van Eecke 醸造所では ないでしょうか。 中央広場からPoperinge方面に徒歩わずか20秒のところにあります。 創業は1852年。 醸造しているビールは、 ホップが効いていて濃厚かつフレッシュな Poperings Hommelbier、 さわやかな白ビール(小麦ビール) Watous Witbier、 そして修道院ビール Het Kapitel (4種類) です。

どのビールもすべて Poperinge 産のホップを使用し、 酵母は自家製です。 水は130メートルの深さからくみ上げた地下水を利用しています。 Watou の水はビール醸造に最適だそうです。

モルトと水(Witbier の場合は小麦も)を煮沸してできた麦汁は約20℃に冷やされ、 酵母が加えられて一次発酵がはじまります。 一週間後、一次発酵は終わり、 ビールは別の貯蔵タンクに移され、さらに一週間、 今度は10℃で熟成されます。 一週間後に熟成は終了し、酵母は除去されます。 この酵母を取り除く方法がビールによって違います。 Witbier では遠心分離器を使い、Hommelbier などでは、 珪藻土を使ったフィルターを通してろ過します。 Het Kapitel(Abt を除く) の場合は、 まずビールを5℃に冷やし、下に沈んだ酵母を底に取り付けられた チューブを通して排出します。

瓶に詰める前に、瓶内二次発酵のために、 わずかな量の酵母と砂糖を加えます。 瓶詰めされたビールは22℃の温度でさらに一週間保管されます。 これが終わるとようやく我々が飲むビールができあがります。 現在では瓶に詰る作業は、この醸造所の中ではなく、 15kmほど離れた Boezinge にある Leroy 醸造所(Kerelsbier を作っている) で行っているそうです。

こうしてできたビールは当然ながら酵母が瓶の中で生きています。 よく日本では、ベルギービールの瓶の底に沈んだ酵母を グラスの底に注がないように、 と言われますが、すくなくともここの醸造所のビールに限っては、 見学のときにくれる資料に、「安心して酵母も注いでください。ビタミンBも 含まれています。」と明記されています。

ベルギーの西のはずれにある、小さな、でも本当においしいビールを 丁寧に作っている醸造所の話でした。 Poperinge の人々はここのビールを本当に誇りに思っています。



皆さんからの情報


この大きな釜で水と粉砕した麦芽を煮て麦汁を作る。


一次発酵が終了したHommelbierはこの機械を使いろ過される。


昔使われていた瓶詰めの機械。

Brouwerij Van Eecke

Douvieweg 2, B8978 Watou

Tel: +32 57 42 20 05
Fax: +32 57 42 39 70

火曜・水曜: 午後2時〜4時
土曜: 9時〜12時
要予約

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>