西フランデレン州 Poperinge の中心広場 Grote Markt (フローテマルクト)から東側の Ieperstraat 沿いに50メートルほど行ったところにあるホテル。筆者が出張のときにいつも利用しているホテルですが、ここの1Fのカフェにあるビールの品揃えは半端ではありません。樽からのビール(Bieren van't Vat)こそ4種類(Maes Pils (40BEF), Poperings Hommelbier(50BEF), Kerelsbier(45BEF), Sint. Bernardus Tripel(90BEF))と数は少なめですが、その他の瓶のビールの数は公称120、裏メニューを合わせると150は超えるでしょう。保存状態も非常に良いと思われます。定番のビールのほか、月ごとに変わるおすすめビール“Bier van de maand”もあります。これで評判が良かったものは定番に加えられます。
筆者のおすすめは St. Bernardus Tripel の樽からのもので、これが飲めるカフェは Watou, Poperinge 界隈でもめったにありません。前日本大使の中村さんが Watou 訪問の帰り、St. Bernardus Tripel の樽を飲むためにこのホテルにわざわざ立ち寄られたこともあります。
カフェの内装は長い間の紫煙によるヤニのせいか茶色くくすんでいますが、落ち着いた雰囲気です。老若男女が世代を問わずよく訪れ、特に金曜の夕方は非常に賑わっています。また、イギリスからの旅行者がよく立ち寄り、カフェで英語でクダをまいていることもあります。(Poperinge 界隈は第一次大戦で激戦地となったところで、戦死した肉親のお墓参りで来る人も多いようです。)
1996年から、毎年9月の第2週の土日にPoperings Bierproevers Genootschap (ポープリゲビールテイスター協会)の主催で、ビールフェスティバルを開催するようになりました。これはビールの利き酒会のようなもので、1996、1997年ともに20以上の醸造所が出品しました。筆者は1996年のフェスティバルに参加しましたが、すごい盛況でした。正確な日付については直接お確かめください。
マイケルジャクソン著 “The Great Beers of Belgium”(邦題「地ビールの世界」)にもこのホテルに関する記述が出てきます。この本にも書かれている通り、レストランの Poperinge らしいホップの飾り付けが良い雰囲気を出しています。シェフ Katrien(GuyとBeatrijsの娘です)が作る料理も抜群に美味しくて、かつ料理のレシピの数も相当なものです。
このホテルとレストラン(とカフェ)の経営者は Guy Osteux と Beatrijs Beernaert 夫妻です。子供が二人とも成人し、手もかからなくなったためか、2年前から「スピル(Spirou)」という名前の猫を飼いはじめました。先代Spirouは残念ながら昨年行方不明になってしまいましたが、その後また新たに再び「スピル」という名前の猫を飼い始めました。
Guy の方は今年(1997年)の春に日本に遊びに来たので、日本のことをよく知っています。実はこのとき筆者の結婚式に参列してくれました。そのときの日本滞在中に飲んだ乙類焼酎を大変気に入っています。
非常にあたたかく家族的にもてなしてくれる良い雰囲気のホテルです。Simon van Tromp 曰く「真剣なビールトラベラーのベースキャンプである。」宿泊はシングル(朝食込み)1600BEF〜。
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