ベルギービールに関する文献など

最終更新: 2000年5月30日

ベルギービールに関する文献などを紹介します。

地ビールの世界 多彩な味わい ベルギービール
マイケルジャクソン=著, 田村功=訳, 柴田書店=発行
ISBN 4-388-35201-2・本体価格2136円
マイケルジャクソンの “The Great Beers of Belgium” の和訳本。 タイトルがなぜ「地ビールの世界」なのか、大変疑問であるが、書かれている内容は詳しく大変参考になる。この本が日本のベルギービール愛好家に与えた影響ははかりしれないと思う。この本なくしては日本でベルギービールを語ることはできないと言ってよいだろう。日本語で書かれた唯一のベルギービール専門の本。残念な点は、原著では本文の中に挿入されているきれいな写真の大半がカットされ、残りも本の前の部分に集められていることだ。また、残念ながらいくつか誤訳と思われる箇所もある(「自由亭」「この地方の木の名前」など)。しかしだからと言ってこの本の価値が減るわけでは決してない。

ベルギーグルメ物語 ベルギーはなぜ美味しい?
相原恭子=文と写真, 主婦の友社=発行
ISBN4-07-221340-3・本体価格1800円
1997年の8月に発売された本。 ベルギービールだけでなく、ベルギーの食文化について 詳しくかつ正確に書かれた本。 写真も豊富で非常にわかりやすい。 ビールについてもかなりのページが割り当てられていて、 筆者の相原さんが訪問された醸造所、カフェなどが紹介されている。 紹介だけでなく、その背景となる文化についてもしっかりと 書かれていて、非常にためになる。 巻末にはベルギーに関する色々な情報へのインデックスが 付いている。これにはありがたいことに日本国内でベルギービールが 飲める店のリストも含まれていて、非常に役に立ちそうだ。 おすすめの本!

世界ビール大全 1700種以上を全試飲☆評価
マイケルジャクソン=著, 金坂留美子・詩ブライス=訳, 山海堂=発行
ISBN4-381-10232-0・本体価格1922円
"Michael Jackson's Pocket Beer Book" の和訳。 ベルギーのビールについてもかなりのページ数を割いている。 回りくどくなく簡潔にビールの味・香りについて説明されていて、 けっこうためになる。 ただし、オランダ語圏のビールのなんとかbierが全て「なんとかビエール」と 書かれているなど、ビールの名前の読み方のカタカナ表記については 疑問が多い。

世界のビールセレクション THE WORLD BEER SELECTION
ナヴィ インターナショナル=編著, 大泉書店=発行
ISBN4-278-03730-9・本体価格1500円
世界のビールが紹介されている計207ページの本で、ベルギービールはそのうちの22ページも割かれている。実はすべての国の中でベルギーが一番ページ数が多い。カラー写真がふんだんに使われていて、日本で手に入れることができるベルギービールのほとんど全ての写真をカラーで見ることができる。原材料・度数・色・風味・合う料理・価格・容量・輸入元などに関するデータもある。

The Encyclopedia of Beer 世界ビール大百科
フレッド・エクスハード/クリスティン・P・ローズ他=著, 田村功=訳, 大修館書店=発行
ISBN4-469-01257-2・本体価格4800円
まさにビールの百科事典という名にふさわしい、560ページ以上ある分厚い本。ビール醸造の専門用語、ビール関連の用語その他ビールに関するあらゆる事柄が詳しく述べられていて、勉強になる。ベルギービールに関連する事項も非常に多い。すばらしい本だが、いや、だからこそ、二つだけ残念な点を記しておきたい。
一つめは、項目が五十音順に並べられていること。五十音順に並べ替えることそれ自体は別に良いと思うが、せめて巻末にローマ文字の綴りとカタカナの対応表か、ローマ文字ベースの索引でも付けて欲しい。銘柄名や英語での専門用語など、ローマ文字の綴りしかわからない場合など、これではどこを引けばよいのかわからない。
二つめは、日本のビールや清酒に関する事項を訳者が独自に追加したそうだが、どの項目が原著の訳で、どの項目が追加されたものか示されていないという点だ。

王様のキッチン ビールの饗宴
河出書房新社=発行
ISBN4-309-95506-1・本体価格1143円
「うまいビールとおいしいつまみ!総特集」という副題が付いた計114ページの本。どちらかというと、ビールに合う料理の紹介、日本の地ビールの紹介がメインだが、ベルギービールについても簡単に触れられている。ベルギービールが飲める店/買える店という記事もあり、どこで飲めるか/買えるかを知りたい方にとっては参考になるに違いない。堺の「きおか」さんも紹介されている。また、私、剣持が学生の時に下宿していた場所から直線距離でわずか200メートルほどの距離の所にある店(The Flying KEG)が紹介されているのには驚いた。残念ながらこの本を読むまでこの店の存在は知らなかった。もし学生の時に知っていれば……。
他にマイケルジャクソンのインタビュー記事もある。

GOOD BEER GUIDE TO BELGIUM AND HOLLAND
Timm Webb=著, Camra=発行
ISBN 1-85249-115-9・£9.99
Camraというのは、Campaign for Real Ale の略で、 イギリスのビール愛好家団体らしい。 その Camra がイギリス人向けにベルギー・オランダのビールを 紹介しているのがこの本。 ビールそのものだけではなく、 ビールを売っている所、飲める所についても念入りに 書かれている。イギリス人向けの記述が随所に見られるが それもまた楽しい。 (例えば、ベルギーへの行き方の紹介で、まず出てくるのが フェリーで渡る方法である。) ほとんどすべてのビールが網羅されていて、 かつ星の数で評価されている。 初めの方にあるビールの作り方や材料、 ベルギービールの主なタイプ、 ベルギーの文化などの簡単な説明も簡潔ではあるが非常に わかりやすくまとめられている。 非常にためになる本。英語。

BELGIUM BY BEER, BEER BY BELGIUM
Annie Perrier-Robert・Charles Fontaine=共著, Shortgen=発行
ISBN 2-87953-047-4
A4版のハードカバーの立派な本。 オランダ語版、フランス語版もある。 きれいな絵や写真が豊富に使われている。 ベルギー国内でのビール醸造の歴史と現在の様子、 ビールの種類など、非常に詳しく書かれていて、かつよく網羅されている。 表紙も立派できれいなのでインテリアにも良いかもしれない。英語。

THE BEERS OF WALLONIA, BELGIUM'S BEST KEPT SSECRET
John Woods・Keith Rigley=共著, The Artisan Press=発行
ISBN 0-9529238-0-7
本の題名の通り、ベルギーの南半分の地方のビールのみに集中して 書かれたビール。印刷は写真も含めすべて白黒だが、 それぞれのビールと醸造所について非常に詳しく掘り下げて 書かれている。英語。

De Smaak van Belgish Bier
Christian Deglas=著, Prof. Guy Derdelinckx=協力, J.M.Collet=発行
ISBN 2-87367-048-7(オランダ語版)
The classic beers of Belgium
G.W.Kent Inc.=発行 ISBN 1-887167-01-3(英語版)
カラーの写真、絵がふんだんに使われていて見た目にもきれい。 残念ながらオランダ語なので内容についてはまだあまりコメントできない。 フランス語版も出ている。 著者の Christian Deglas 氏はこの本を日本語に訳して出版してくれる人を 探している。どなたかこの本を訳して日本で 出版しませんか?
(1998年5月27日追記)
とうとう英訳版が出た。どうやらフランス語版からの翻訳のようだ。ビールが Trappist と Abbey beer と Craft beer の3種類にしか分類されていないのは驚きだが、いろいろなビールについて味をかなり細かく書かれている。カラーの写真も豊富で見ているだけで楽しめる。ただし、ところどころ誤植や編集のミスらしきものが見られるのはちょっと残念。
例えば、“Glossary”の章の一番頭の項目が “Abbey Beers” で、そこには “(see Trappist and Abbey Beers)” と書かれているのに、“Trappist and Abbey Beers”は項目のみで中身が空である。その代わり、最初の“Abbey Beers”の項目のすぐ下にもう一つの“Abbey Beers”があり、詳しい説明が書かれている。一方、“Trappist”という項目も独立して存在する。

Bier in Belgie, gids voor biern en brouwerijen
Geert Van Lierde=著, lannoo=発行
ISBN 90-209-1960-1
ビールと醸造所の詳しいガイドブック。オランダ語で 書かれているのでまだ詳しくコメントできません。

220 Originele Cafes in Vlaanderen
Bob Hendrickx=著
ISBN 90-5274-023-2
フランデレン(フランダース)地方のカフェの中から 220を選び簡単な説明が加えられているが、実際はよくある 「情報誌」のごとく、お金を取って載せているのだと推測する。 それぞれの店について、決められたビールの2杯めがタダになる チケットが付いている。全部使うと一万フラン以上得することになるけど、 そこまでやる人はベルギー人でも絶対いないだろう。オランダ語。

Tromp's Beer Traveller in West Flanders
Simon van Tromp=著
7US$・160BEF
Simon van Tromp という人が西フランデレン州の 醸造所、カフェなどを紹介している小冊子。英語。 市や町ごとに手際良くまとめられている。 日本で入手するには著者に直接連絡するしかない。 連絡先は以下の通り。
25 Ranville, Carlton Colville, Lowestoft, Suffolk, England, NR33 8UB.
TEL/Fax: (UK)1502 589403

Belgian Trappists
ベルギー国内でビールを作っている5つのトラピスト修道院を紹介している 小冊子。 A4の大きさ。カラーで写真も多く、非常にきれい。 修道院内の醸造所の中の写真などもある。 巻末にビール以外のものを作っている他のトラピスト修道院も簡単に 紹介されている。オランダ語・フランス語・英語。

Beers from Belgium
ベルギーのビールに関する情報を集めたCDROM。 386以上のプロセッサ、Win3.xと95(おそらく98でもOK)上で動作する。英語。 オランダ語版、フランス語版もある。
ビール醸造の方法、ビールの種類、醸造所の紹介、 それぞれのビールの紹介、良いカフェの紹介などビールに 関する情報が満載である。 画像も豊富で、ほとんどのビールのラベルの画像が 収められている。ビールを使った料理のレシピまで付いている。 情報量が非常に多い。これはおすすめである。 また、ビールの名前や醸造所の名前を発音した音声データも付いていて、 ボタンをクリックするだけで正確な発音がわかるのも良い。 このCDを買ってぜひ Hoegaarden がどう発音されているか 確かめてみてください。
入手方法やさらに詳しい情報は このCDROMのWWWページに詳しく書かれている。 Brussel/Bruxelles市内では、ビール博物館 で約1000BEFで売られている。ブリュッセル国際空港の免税店でも売られていることがあるらしい。

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KENMOCHI Hideki <hideki@kenmochi.com>